17年振りのデンソーとの取引が始まった。
ブランクの間は、昔お世話になった方々を訪ね、インドやタイと工場
を巡り自動車業界感が鈍らないように情報交換していた。
社会的背景には「電動化」「自動化」「コネクティッド」「シェアリン」
所謂CASE対応に迫られた100年に一度の大改革が自動車業界に
押し寄せて来ており「生きるか死ぬか」の闘いの幕開け時期と
重なっていた。言い換えればはんだ付を必要とする自動車部品が
飛躍的に増えて来る、まさに千載一遇のチャンス到来である。
市場は見えたが、具体的な受注から入金までの道筋を描き、注文
書を沢山いただかないと絵に描いた餅、腹の足しにもならない。
新製品市場における普及率を示すマーケティング理論である
イノベーター理論を基にした製品ラインナップ含めた販売戦略が
目に留まり、だよねと実践して行く事を決めた。
急進的で先取性を好む市場全体の2.5%である
イノベータ(革新者)需要、13.5%を占めるアーリーアダプタ(初期採用者)
需要がポイントであった。トレンドに敏感で、
必要な生産工法を常に求めている人々。自動車業界における
大きく聳(そび)える壁が実績、特にTOYOTAグループ内での
導入・生産実績なのである。新製品なので実績がないRZ工法。
だから数年間で千枚以上の名刺を集めたが展示会で一人でもい
いからイノベータとアーリーアダプタ生産技術者との出会い重要、
興味あるだけでは意味がない、一台でいいから採用され
生産ラインにラインアップされれば実績が付く。
販売から2年で目標が達成された、2年も掛かったのだが
「一意専心」更に34%のアーリーマジョリティー(前期追随者)・オピニオンリーダーを
押さえるためにアーリーアダプタの満足度を高める必要がある。
実績は少ないが販売当初から販売している有料サービスAnswerTest(はんだ付評価)が
功を奏したのだが、アーリーアダプタとアーリーマジョリティーの間には
大きな溝が横たわっている。アンサーテストは、はんだ付品質の工程能力を
求めるであるがそれだけでは満足してくれない、
安心して買える条件が他にも沢山あるのである。
<ロマンの旅に待ち受ける聳(そび)え立つ壁2>
安心条件の壁。
- 生産体制?
- 在庫体制?
- 機密保持?
- アフターサービス体制?
矢継ぎ早の要求に答えていかないとアーリーマジョリティーゾーンに
踏み込めないのである。