電動自転車を操り、生野警察署で遺失物を

引き受ける。

東に500ｍ程足を延ばせば50数年前に

住んでいた長屋に辿り着く。

PARATの前身である1956年創業の中鐵工所も

裏長屋にあった。

幼き頃に焼き付けた風景は其処にはなかった。

全てが小さくあっというまに路地を抜け、

華やかだった商店街も住宅街に。

小さな子供がちゃんばらしながら走り回る姿はない。

北に750ｍ程、ペダルを回せば今は観光地となった

コリアンタウン、当時は、紀州生まれの両親で育った

からであろうこの街の臭いに馴染めなく息を止めて

歩いていた事を思い出す。

今は、キムチやチジミも好んで食べる、若い女性で

ごったかえすこの街で、50年間の時代の移ろいを見る。

混沌とした生野区から、上町FAB界隈の小学校に

徒歩で通学していた。小学校辺りは今も昔も

変わらない上品な佇まい、対照的な街で育った

経験は少なからずとも経営には活かされている。

派出所で勤務している大阪弁で話しかけてくる

お巡りさんOB、「そうか、出てくるで、

自転車の鍵も入ってたんか」「なんや」窓越しにお嬢さんが

「自転車盗まれたんで」、すかさず「鍵の次は自転車かいな、

上手いことで来てるな」とお巡りさんOB。

放映中の連続テレビ小説「ブギウギ」で草彅剛が

演じる服部良一が通っていた元小学校跡地の

公園にあり「青い山脈」の歌碑もある。

ドラマの中に居る様だ。

ボケオヤジが落としたカード入れが、50年前の昭和に

引き戻してくれた。

中津流通加工センターの工事が始まる、2014年の

難波工場リノベーションからお付き合がある

奈良平城宮跡近くで本社を構える工務店にお願いしている。

EXCELで仕様書、イラストレータで構想図を描き、

PDFに変換し添付メールすれば、数回の電話やり取りで

素早く見積りは飛んで来て、工事が始まる。

高齢化で人手不足である小さな「なんでやねん」を

積み重ねるが、嘆きの「なんでやねん」はない。

施主含め全員が

ちんたらかんたらを嫌う

百戦錬磨の現場を熟知した

天然記念物級の職人達との特プロ。

ストレスが溜まらない。

RZはんだ付ロボットも、三河のお客様・関西の仕入れ

先様・種々雑多なキャリアを持ち合わせた老若男女

スタッフ達の融合で成功を収めている。

「ものづくりはフュージョンするからおもろいねん」を

引き継いでいきたい。