さらば「カン・コツ」とは言いながら、この神業を必要とさ
れるはんだ付、されど「カン・コツ」、この技をいかにして
デジタル・ロボットにこの技を落とし込むかの、
ロボットならではの能力で神業を越えられるのかが
開発に求められる坂の上の雲。
高い目標を掲げているが背に腹を替えられない事情が
ある、リーマンショックで売り上げ激減、拾い仕事はしないと
掲げており、開発期間は一年間、プロト機2台を
製作して工程能力が高い物を世に出す決意をスタッフと共有。
製品のリリースは、2019年1月に東京ビッグサイトで
開催されるインターネプコンジャパン。
米櫃から米を搔き集めての展示会エントリー、
意欲と知恵は無限大、過去のゼロからのチャレンジした
情熱が無謀と思われる事業に主舵を切らせた。
現地・現物・現実ではんだ付けの「カン・コツ」を
検証、原理・原則で科学的根拠がない言い伝えを排除する。
日本電装で鍛えられた実弟にいつもながらの
難題をぶつけプロジェクトの先頭に立ってもらった。
PARATのライフ計画は現在のCEOが担った。
セラミックスで製作される筒の中でのはんだ付挙動は
観察できない、プロト機での実証が物を言う、
それまでにしなければならないのが、100%ノズル内に
定寸のはんだを切断し供給することである。
糸はんだの供給機はすでに存在していた、サンプル購入し
通常では起こらないような操作をするいじわる運転を
繰り返した、そこで発見したのが少しばかりの
負荷が掛かるとスリップすることが分かった。
目を付けたのが平目ローレット加工されたピンチローラ、
平目の深さ、材質を変更させることにより
推力は飛躍的に向上した。
忘れてはいけないことは、糸はんだを送る際に抵抗ゼロで
あれば上記改善は必要ではなかったが糸はんだロールの
はんだ量が少なくなると挿入ガイド部での挿入角度が付き推力
が必要となる。このガイドと糸はんだ接触部の形状も大きく
推力を左右する。過去に開発したコイル線の巻き線機で
採用したセラミクス製のヤーンガイドも参考にし形状を決定。
後は、経路での抵抗、元の径より先は細くし、
摩耗しない材料を選定、供給100%のハードルの一つは
越えられた、後は実証による確証を得るのみ。
一番大きなハードルがヤニ入り糸はんだの切断。
<REAL ZERO誕生物語6>
ヤニ入りいとはんだの中心部に主成分が松ヤニで出来た柔ら
かいフラックス、外側に錫合金で硬度は鉄の1/10の柔らかさ
これをいかにスパッと切るか?
・・・・・・過去の知見も総動員し・・・・・・・・。
