PARAT NEWS

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ぱらっといきまひょparatnews221226  師走のやどりぎあれこれ
2022/12/26 PARAT NEWS
2022**PARATウイクリーハプニング**2022
大阪駅、梅田駅から徒歩1分にあ る「新梅田商店街」は安くて、旨いと庶民に評判のグルメスポット。
本社が梅田に移ってからキタでスタ ッフと杯を交わす機会も増えてきた。
雑踏に交じり合う人々はすべて同じように大晦日を迎える。
コの字カウンターで名物の鴨小鍋や天ぷらを熱燗で嗜む人達も後5日で除夜の鐘。
仕事帰りのOLや上品そうなおじさんまでひっそりとこの寄生木(やどりぎ)で一日のご精算をする風景に安らぎを覚える。
しかし、左隣が徳利を重ねる毎に安らぎの空間を壊していく京都の片田舎からやってきたと称する定年退職した60過ぎの二人連れ。
一流ホテルにもお店を出しているだけはある上品な大将の顔がみるみる曇っていく。
仲居さんにもちょっかいを掛けだす始末。
年末の課題共有のために席を同じくしたCOOが脇差に手を添えた。
これはやばい、あのおっさん一刀両断に袈裟切(けさぎり)される。
間髪入れず、 「ちょっとうるさい、静かにせいや」と中に入る。
赤鬼がこちらをにらみ返しながら、「あっ怖、あっ怖、大阪あっ怖」と大きな声でお道化出す。
「静かにせい!どこの銀行や!」 と一括したとたん身支度を開始し出した。
聞きたくもない自慢げな身の上話 を1時間以上横で聞かされたのである。
出身地や元職業も耳に残っている。
退職しても銀行マンを笠に着る、貴方は今無職。
案の定銀行名を名乗と言われて正気になる情けない現金なおっさん。
仲立ちしなければ 「おまえ達はすでに死んでいる」立ち回りを奪われたCOO不満顔。
静寂が戻り清々するお店の人達と客人達、最後の嗜みで頼んだ立山熱燗、アルマイトのチロリに並々と注がれている。
「にやり」心穏やかにマスクを掛ける。
師走に襟を立て正月に向かって一歩歩み出す。