評判と売れるのには相関関係はない、必要でないと買ってくれない。
商いのイロハであるがここが一番の肝。
自分達が絶対売れると確信して開発したモノと必要としている人達
とのマッチングは開発以上に難儀する。
電気部品はすべからずはんだ付しているから人手不足の折、
ロボット化すれば無限大に市場があると思うのは大きな間違いである。
はんだは5000年の歴史を持つ古い工法、はんだとフラックスと
熱いコテ先があれば接着できる。ロボット化を求めてはいるがコテの価格は
数万円、数百万するロボットを買っていただく市場は限定される。
高付加価値な部品へのはんだ付市場として自動車業界に的を絞った。
特に、自動車は人命を預かるビークル、品質を最重要視する
企業しか生き残れないと考えている、そこが狙い目。
展示会(ネプコン)での評判は当たり前の反響であったが、
PARATが絞ったTOYOTAグループとの出会いは思ったより数が少なく、
集めた名刺でデモ機での顧客訪問を繰り返したが初年度は
数千万円の売上げしか計上できなかった。
ブレークする切っ掛けは、やはりセールスの基本である足で
稼いだ出会いであった。
RZはんだ付工法が得意とする狭小空間での高品質なはんだ付を
求めている自動車部品メーカと出会った。早速、試作となりロバスト性の
高い結果が得られ、あれよあれよと商談が勢いよく転がっていった。
ちなみに試作は有償である、初物だからお試し無料でいいのではとする
向きもあるが、おもしろいから付けてみたいお客さんを相手にするのは時
間とお金の無駄として、脇目を振らず武士は食わねど高楊枝を決め込
み真剣勝負でお客様と対峙した。
二年目か三年目かの展示会でのびっくりした出来事。
「困っていたのに、なんでもっと早くセールスに来てくれなかったの、
直ぐに8台買ったのに」
「いやぁ、嬉しいお話ですが、今、初めてお会いしたばかりで」と鸚鵡返し。
上記会社の親会からやって来た生産技術スタッフからのラブコール。
狙いを定めていた品質第一のメガサプライヤーDENSOと
がちんこでの出会い、ここで評判がいいが売れないという連鎖に歯止めが掛かった。
やっと販売における「0→1」実績をクリア、ハラハラドキドキのロマンの旅
のエピソード2への扉が開かれた。
<ロマンの旅に待ち受ける聳(そび)え立つ壁1>
新製品市場における普及率を示すマーケティング理論である
イノベーター理論を基にした製品ラインナップ含めた販売戦略。
競合他社との差別化するための知財戦略。
生産体制の構築や受発注・在庫といった生産管理の充実を求められる
経営陣。