3歳から家業の鉄工所にデビューした。
デジタル技術やデジタルツールを使って
ビジネスモデルや組織を変革しようとする
DX化が強力に進められている。
アナログの中で産声を上げ、デジタルの中に
身を沈める、デジタル技術による変革は、
66年間身をもって率先垂範してきた。
1956年に創業した中鐵工所は、動力はモーター
のみ、足踏みレバーで、クラッチピンを抜き、
スライドに取付けられた金型をクランク機構で
上下運動に換える、アナログなメカニック
クランクプレスが商品。
今の主流は、デジタル化されたサーボプレス、従来
のメカプレスも電装され安全で使い勝手が良い、
デジアナタイプに進化。
会社は紆余曲折を経て、「カンコツ」ではんだ付す
るアナログの世界から、デジアナ技術でのロボット化
を成功させ、今も商品変革を続けている。
昭和から令和に掛けて機械屋は、アナログから
デジタル(数値制御:NC)化する事により成長した。
人はアナログ、Information of Tatakaiage。職人の
背中を見て、ハンマーを投げつけながら学んだ時
代から、Internet of Thingsの時代へ。人を介さず
インターネットでモノと結び、情報共有や連携、
処理・変換・分析を行う事が出来る時代に。
難しいカム機構よりエアシリンダーをシーケンサー制御
よるメカニズムに、確実性がないのでサーボモーター
による制御へと選択肢を広げる。
摺動部も、アリ溝構造でカミソリで隙間調整、表面
仕上げは光明丹で赤当たり、黒あたりしながら
キサゲ加工。
鋼球を使ったLMガイドが、発表されれば直ぐに面倒
臭い加工が不必要になる機械要素を選択した。
PARATはオーナーに技能が伴わない背景があり、
構想した数値通りの精度や位置、速度による
仕事結果を得られるデジタル製品へと転換し、
正確に早く技術を習得して行った。
職人を使いこなす技術も無かったので、
斜陽になってきたアナログプレスマシンを
電子部品メーカ向けの自動機から
FA装置メーカへと変身させる
ために若きスタッフを集め、
数千万円の売上を5億円までに成長させた。
キャリアが少ないスタッフでもデジタルツール
(機械要素)を使いこなした事による
ミラクルを実現。
但し、ここに大きな課題が残されていた、
若くても人はアナログ、会社もアナログ。
経営に関してのキャリア不足は致命傷、オリジナルの
多額投資した生産管理システムも機能せず、優秀な
人材を集めるための土地建物投資が足枷となり、
バブル崩壊とともに37年間続いた中鐵工所の歴史に
幕が降りた。
3歳から経営の蹉跌までに学んだアナログとデジタル、
新生PARATに残されたのは経営のデジタル化。
キャリアが短いスタッフをいかに育てるのか、いかに採用
し、超優良企業へと成長させていくのか。
来週に続く。